伝える力(発信力)
三つの力の二つ目は、伝える力。人にコトを伝えるというのは、本当に難しいとつくづく思います。人間は生きている間、意識するしないに関わらず、ずっと何かを何らかの形で伝えています。それは言葉のみならず、表情や態度、仕草、身ぶり、手ぶり・・・全てで〝伝える〟です。
私が主催する実践研修では、プレゼンテーションを通じて「伝える力」(発信力)を磨くトレーニングを行ないますが、言うは易し行なうは難し、研修のプレゼンテーションが上手くいったとしても、日常の実践では、これがなかなか大変であります。
説明は「意味、内容を伝える」に対して、プレゼンは「意識、意思を伝える」。
たとえ意味内容が伝わったとしても、相手の心を動かしたり行動への動機づけまでは至りません。強い意識、熱い意思が伝わった時、それは相手の心を動かし行動へと駆り立てます。
「6歳の子供に分かるような説明でなければ、説明とはいわない」これは、たしか、アインシュタインの言葉。少し極端かも知れませんが、同感であります。伝える力(発信力)をつける。どうすればつくのか?私は訓練しかないと断言します。訓練と実践を繰り返す。訓練しても実践しなければだめ、実践することにより、相手の反応が自分の発信の質や是非に気付かせてくれます。
訓練によって喋り方や話術を得るのが目的ではありません、話術やパフォーマンスはたしかに訓練によって上達することが出来ます。でも、これは目的ではなく結果、というよりも真の目的達成の為の通過点とでもいいましょうか。真の目的、それは強い意識、熱い意思を育むことです。では、強い意識や熱い意思はどうやって育むのか?これもまたやはり、訓練しかないと私は考えています。
訓練と実践を重ねる。考えていること思い描いていることを繰り返し繰り返し言葉にし、文字にし、何度も何度も周りの人に伝える、するとやがてその言葉や文字が話術やパフォーマンスを超え内なるもの〝意識や意思(意志)〟に繋がっていきます。そして、育まれた強い意識や熱い意思が言葉や表情や態度、仕草、身振り手振り乗じ発信された時、相手の心を動かし、動機づけしていきます。姿勢、礼節、形から精神を育む武道のようなものです。
〝伝える〟とは、実に奥が深いのです。

伝えることの難しさ┃山田団長ブログ
高飛車な態度で上から命令口調で伝えた場合、相手は、萎縮、不快、反感、怒りといった反応をするでしょう。穏やで優しい口調で寄り添うような態度で伝えた場合、安心や信頼、癒されるという反応。反応は伝え方次第であることが分かります。